若手俳優のY君は、高校生の時に酷いストーカーにあってから女性恐怖症に悩まされていた。
でも同時期に俳優になるという夢を見つけたY君には彼女なんて必要なく、ひたすら夢の実現のため努力してきた。
そんなY君が大人になって女性恐怖症を克服しようとした時の話。
よく男性恐怖症の女性は聞いたことあったが、女性恐怖症の男性は珍しかったので、僕はY君に興味をもった。まずどんなストーカー行為にあったのか聞いてみた。それはかなり酷かった。
高校生の時から一人暮らしをしていたY君は、家に帰ると必ずポストにいろんなモノを入れられていたらしい。
初めの頃は十数枚ものラブレターや手作りのお弁当、イニシャルが縫われたぬいぐるみなどが入っていたのだが、無視しているとそのうちエスカレートしていった。
通学用の自転車のサドルが盗まれていたり、ドアノブに唾液をつけられていたりとだんだん嫌がらせになってきた。
犯人にまったく心当たりがなく怖かったのだが、思春期の男の子がそんな事を親や先生に相談できるわけもなく、ただひたすら耐えていたそうだ。
そうしているうちに家にいてもどこか監視されているような気がして落ちつかず、軽くノイローゼになりかけていた。
犯人がわからなくてみんなが敵に見えてしまい、学校で女子と話すことが出来なくなってしまった。
そんなある日、どこから番号を入手したのかわからないが、そのストーカーから電話がかかってくるようになった。
初めは知らない番号からの着信に躊躇したが、始めたばかりの仕事(俳優業)の連絡かもしれないと電話に出た。
すると、受話器の向こうから女性の小さい声で何かブツブツ言っている。すぐにあのストーカーだと思い当たった。
電話を切り、もう二度とかかってこないようにその番号を着信拒否設定にした。それからもしばらくストーカー行為は続いたが、Y君が高校を卒業してからはなぜかほとんどなくなった。
ということはやっぱり高校の誰かが犯人だったんだとその時思った。それから数年してY君はようやく1つ大きな仕事をもらった。
大きなといってもドラマの1話だけしか出てこないちょい役。それでもY君にとっては初めての全国放送のテレビドラマということで張り切っていた。
その頃になると、女性恐怖症も少し和らいできてディレクターさんやメイクさんなど仕事関係の女性とは話せるようになっていた。
そしていよいよドラマの顔合わせの日、張り切ってスタジオに向かうと大勢のスタッフが迎えてくれた。
初めての現場に戸惑っているとその中のADさんが気さくに話しかけてきてくれた。緊張のせいもあったのか、Y君は自分でも信じられないがそのADの女の子に一目ぼれしてしまったのだ。
ADさんに出会えた喜びと、女性恐怖症が克服できるかもしれないという喜びでY君はうれしくて必死でADさんとコミュニケーションをとった。
そして帰り際、Y君は思い切ってADさんに連絡先の交換をお願いした。ADさんは快くOKしてくれた。
Y君が自分の番号を言うとADさんがワン切りし返してくれた。
その瞬間、Y君は固まった。
Y君の携帯の着信画面にはかつて自分が登録した「ストーカー?」の文字が浮かんでいたのだ。その様子を見た彼女は何事もなかったように
「よろしく」
と言って笑った。
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でも同時期に俳優になるという夢を見つけたY君には彼女なんて必要なく、ひたすら夢の実現のため努力してきた。
そんなY君が大人になって女性恐怖症を克服しようとした時の話。
よく男性恐怖症の女性は聞いたことあったが、女性恐怖症の男性は珍しかったので、僕はY君に興味をもった。まずどんなストーカー行為にあったのか聞いてみた。それはかなり酷かった。
高校生の時から一人暮らしをしていたY君は、家に帰ると必ずポストにいろんなモノを入れられていたらしい。
初めの頃は十数枚ものラブレターや手作りのお弁当、イニシャルが縫われたぬいぐるみなどが入っていたのだが、無視しているとそのうちエスカレートしていった。
通学用の自転車のサドルが盗まれていたり、ドアノブに唾液をつけられていたりとだんだん嫌がらせになってきた。
犯人にまったく心当たりがなく怖かったのだが、思春期の男の子がそんな事を親や先生に相談できるわけもなく、ただひたすら耐えていたそうだ。
そうしているうちに家にいてもどこか監視されているような気がして落ちつかず、軽くノイローゼになりかけていた。
犯人がわからなくてみんなが敵に見えてしまい、学校で女子と話すことが出来なくなってしまった。
そんなある日、どこから番号を入手したのかわからないが、そのストーカーから電話がかかってくるようになった。
初めは知らない番号からの着信に躊躇したが、始めたばかりの仕事(俳優業)の連絡かもしれないと電話に出た。
すると、受話器の向こうから女性の小さい声で何かブツブツ言っている。すぐにあのストーカーだと思い当たった。
電話を切り、もう二度とかかってこないようにその番号を着信拒否設定にした。それからもしばらくストーカー行為は続いたが、Y君が高校を卒業してからはなぜかほとんどなくなった。
ということはやっぱり高校の誰かが犯人だったんだとその時思った。それから数年してY君はようやく1つ大きな仕事をもらった。
大きなといってもドラマの1話だけしか出てこないちょい役。それでもY君にとっては初めての全国放送のテレビドラマということで張り切っていた。
その頃になると、女性恐怖症も少し和らいできてディレクターさんやメイクさんなど仕事関係の女性とは話せるようになっていた。
そしていよいよドラマの顔合わせの日、張り切ってスタジオに向かうと大勢のスタッフが迎えてくれた。
初めての現場に戸惑っているとその中のADさんが気さくに話しかけてきてくれた。緊張のせいもあったのか、Y君は自分でも信じられないがそのADの女の子に一目ぼれしてしまったのだ。
ADさんに出会えた喜びと、女性恐怖症が克服できるかもしれないという喜びでY君はうれしくて必死でADさんとコミュニケーションをとった。
そして帰り際、Y君は思い切ってADさんに連絡先の交換をお願いした。ADさんは快くOKしてくれた。
Y君が自分の番号を言うとADさんがワン切りし返してくれた。
その瞬間、Y君は固まった。
Y君の携帯の着信画面にはかつて自分が登録した「ストーカー?」の文字が浮かんでいたのだ。その様子を見た彼女は何事もなかったように
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