芸人を目指した人の中で世に名前が知れ渡るほど売れる人は1割にも満たない。
ある有名お笑い事務所では1年に学校に入学してくるのは約500人で、その中で世の中に名前を知ってもらえるのはたったの4~6人程度しかいない。
そんな厳しい中で勝ち抜いていくには何か秀でたモノがないと難しいと言われている。みんな自分にキャラをつけようといろいろな事をする。
体を鍛えてみたり、資格をたくさん取ってみたり、占い術を身につけたりと努力の方向はさまざまである。
まだ芸人になって3年目の川田くん(仮名)も自分にキャラが無い事に悩んでいた。
埼玉県で生まれて、普通の家庭で育って、普通の高校を卒業、特に勉強もスポーツも得意じゃないし、コレと言った趣味さえなかった。
そんな時に同期のライバルが料理が得意ということでテレビ出演が決まった。
川田くんはそいつらに自分がお笑いで負けてるとは思わなかった。それでも料理が出来るというだけで出演が決まった。
悔しいがそれがテレビである。何か1つでも他の人が出来ない事を身に付けないといけないと川田くんは焦っていた。
そんなある日、先輩に誘われて合コンに参加した川田くんは相手の女の子の1人に不思議な事を言われた。
それは自己紹介をしてすぐに、突然川田くんに向かって女の子が「あなたに女の人の霊が憑いてますよ」と言ってきたのである。
川田くんはそういう心霊の類は体験した事がなかったし、なによりまったく信じていなかった。ただその時は「ちょっとやめてくださいよ~」と芸人らしいリアクションで場を盛り上げていた。
先輩たちからも「昔の女が憑いてんじゃないの?」などとイジられ、正直ちょっとおいしいなと思っていた。
また、女友達に頼まれて付き添いで有名な占い師の所に行った時も、頼んでないのに占い師が急に僕に向かい「あなた憑いてますね」と言った。女友達は「えー!」と大きなリアクションをしていたが僕は「また適当な事言ってんなぁ」くらいにしか思わなかった。
そんな事が何度かあったので、芸人仲間や小さな舞台の時にはよくそんな話をしていた。するとその話を聞いたスタッフが「今度、心霊番組のレポーターのオーディションがあるから行ってみたら?」と教えてくれた。
川田くんはテレビに出れるチャンスかもしれないとそのオーデョションを受けることにした。ある意味「心霊憑りつかれキャラ」も新しくて気に入っていた。
そのオーディションは変わっていて霊能者という人が実際に川田くんたちに会って合格者を決めるというものだった。
川田くんはその霊能者に「今まで何人もの人に霊が憑いてると言われました」とアピールしたが、結果は不合格だった。
さらにその霊能者に「あなたに霊は憑いていません」と言われたのだ。はじめから信じてはいなかったが、せっかく出来たキャラだったのにあっさり「憑いてない」と言われたら腹が立ってきた。
それから川田くんはいろんな本を買ってきて「霊」について勉強した。どうしても霊に憑りつかれたくてあらゆる手段で試したのだ。
知り合いの霊能者に聞きに行った時は危険だからと怒られるくらい反対されたが、川田くんは信じていないので危険の意味もわからなかった。
有名な心霊スポットに1泊してみたり、墓場でイタズラをしてみたり、いろんな事をやってみたが川田くん自身何も変わらなかったし、自分では憑りつかれたのかどうかなんて判断できなかった。
そうして一ヶ月ほど経った頃から、よく体調を崩すようになった。今まで病気知らずだった川田くんにはめずらしく布団から出られない日が続いた。病院に行ったら風邪と診断されたが、もう1週間以上寝たきりだった。
心配した芸人仲間が見舞いに来てくれた時、川田くんのあまりにも変わり果てた姿にみんな言葉も出ないほどだった。体はやせ細って顔色も悪く、何より目の焦点が合っていなかった。
その噂を聞いたスタッフが取材も兼ねてという事で、以前オーディションを受けたあの霊能者を呼ぶことになった。
そして川田くんに対面した霊能者は驚いたような顔になり「すぐに除霊をしましょう」と言い除霊が始まった。
一段落ついた時、霊能者の人に事情を聞かれた川田くんは今まで自分がやった事をすべて打ち明けた。
すると霊能者は「ごめんなさい。あのオーディションの時、すでにあなたには多くの霊が憑いていたんです。
でも刺激してはいけない霊だったので憑いていないと嘘をつきました」と言った。川田くんはすでに大量の霊に憑りつかれているのに、さらに霊に憑りつかれるようにしたため命を落とす寸前だったのだ。
そこまでしてキャラをつけようとした川田くんも、今は真剣にお笑いの腕を磨いているらしい。
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ある有名お笑い事務所では1年に学校に入学してくるのは約500人で、その中で世の中に名前を知ってもらえるのはたったの4~6人程度しかいない。
そんな厳しい中で勝ち抜いていくには何か秀でたモノがないと難しいと言われている。みんな自分にキャラをつけようといろいろな事をする。
体を鍛えてみたり、資格をたくさん取ってみたり、占い術を身につけたりと努力の方向はさまざまである。
まだ芸人になって3年目の川田くん(仮名)も自分にキャラが無い事に悩んでいた。
埼玉県で生まれて、普通の家庭で育って、普通の高校を卒業、特に勉強もスポーツも得意じゃないし、コレと言った趣味さえなかった。
そんな時に同期のライバルが料理が得意ということでテレビ出演が決まった。
川田くんはそいつらに自分がお笑いで負けてるとは思わなかった。それでも料理が出来るというだけで出演が決まった。
悔しいがそれがテレビである。何か1つでも他の人が出来ない事を身に付けないといけないと川田くんは焦っていた。
そんなある日、先輩に誘われて合コンに参加した川田くんは相手の女の子の1人に不思議な事を言われた。
それは自己紹介をしてすぐに、突然川田くんに向かって女の子が「あなたに女の人の霊が憑いてますよ」と言ってきたのである。
川田くんはそういう心霊の類は体験した事がなかったし、なによりまったく信じていなかった。ただその時は「ちょっとやめてくださいよ~」と芸人らしいリアクションで場を盛り上げていた。
先輩たちからも「昔の女が憑いてんじゃないの?」などとイジられ、正直ちょっとおいしいなと思っていた。
また、女友達に頼まれて付き添いで有名な占い師の所に行った時も、頼んでないのに占い師が急に僕に向かい「あなた憑いてますね」と言った。女友達は「えー!」と大きなリアクションをしていたが僕は「また適当な事言ってんなぁ」くらいにしか思わなかった。
そんな事が何度かあったので、芸人仲間や小さな舞台の時にはよくそんな話をしていた。するとその話を聞いたスタッフが「今度、心霊番組のレポーターのオーディションがあるから行ってみたら?」と教えてくれた。
川田くんはテレビに出れるチャンスかもしれないとそのオーデョションを受けることにした。ある意味「心霊憑りつかれキャラ」も新しくて気に入っていた。
そのオーディションは変わっていて霊能者という人が実際に川田くんたちに会って合格者を決めるというものだった。
川田くんはその霊能者に「今まで何人もの人に霊が憑いてると言われました」とアピールしたが、結果は不合格だった。
さらにその霊能者に「あなたに霊は憑いていません」と言われたのだ。はじめから信じてはいなかったが、せっかく出来たキャラだったのにあっさり「憑いてない」と言われたら腹が立ってきた。
それから川田くんはいろんな本を買ってきて「霊」について勉強した。どうしても霊に憑りつかれたくてあらゆる手段で試したのだ。
知り合いの霊能者に聞きに行った時は危険だからと怒られるくらい反対されたが、川田くんは信じていないので危険の意味もわからなかった。
有名な心霊スポットに1泊してみたり、墓場でイタズラをしてみたり、いろんな事をやってみたが川田くん自身何も変わらなかったし、自分では憑りつかれたのかどうかなんて判断できなかった。
そうして一ヶ月ほど経った頃から、よく体調を崩すようになった。今まで病気知らずだった川田くんにはめずらしく布団から出られない日が続いた。病院に行ったら風邪と診断されたが、もう1週間以上寝たきりだった。
心配した芸人仲間が見舞いに来てくれた時、川田くんのあまりにも変わり果てた姿にみんな言葉も出ないほどだった。体はやせ細って顔色も悪く、何より目の焦点が合っていなかった。
その噂を聞いたスタッフが取材も兼ねてという事で、以前オーディションを受けたあの霊能者を呼ぶことになった。
そして川田くんに対面した霊能者は驚いたような顔になり「すぐに除霊をしましょう」と言い除霊が始まった。
一段落ついた時、霊能者の人に事情を聞かれた川田くんは今まで自分がやった事をすべて打ち明けた。
すると霊能者は「ごめんなさい。あのオーディションの時、すでにあなたには多くの霊が憑いていたんです。
でも刺激してはいけない霊だったので憑いていないと嘘をつきました」と言った。川田くんはすでに大量の霊に憑りつかれているのに、さらに霊に憑りつかれるようにしたため命を落とす寸前だったのだ。
そこまでしてキャラをつけようとした川田くんも、今は真剣にお笑いの腕を磨いているらしい。
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