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若手芸人のBさんは無類の夜遊び好き。連日連夜のクラブやバー通いで、寝不足のために仕事に支障をきたすほど。

番組収録中にうっかり居眠りをしてしまうこともありました。それは、某クイズ番組の収録中でのこと。

司会者は大物タレントのA。彼に逆らうと芸能界では生きていけない、と言われるほどの大御所です。

それだけにBさんは「この収録だけは絶対に居眠りしちゃダメだ……」と、事前にブラックコーヒーを缶3杯も飲んで収録に望んでいました。しかし、突如襲ってきた眠気。

自分で自分の太ももをつねったり、叩いたりしてどうにか眠気を覚まそうと奮闘していたのですが……。番組後半には、ついにウトウトとし始め、次第に顔はうつむき加減になってきました。

「……ちょっと。おい、ヤバイって。Aさん見てるぞ」

ひな壇の隣に座る共演者に肘で突かれると、一瞬は目を覚ますのですが、しばらくするとまたコックリ、コックリと船を漕ぎ始めます。そんなとき、Aの大声がスタジオ内に轟きました。

「ちょっと撮影止めて!」

大声に目を覚ましたBさんのもとにAがズンズン近づいてきて、胸倉をつかんで怒鳴ります。

「お前、いい加減にしろよコラ!」

「すみません、すみません!」

Bさんのマネージャーがスタジオ内に駆け込んできて、それこそ床に頭をこすりつけるほどの土下座で謝罪します。もちろん、Bさんも土下座しています。

そして撮影は再開。しかし15分も経たないうちに、Bさんをまた強烈な眠気が襲いました。自分の意識とは裏腹に閉じてくる瞼、意識は遠のいていきます。

そして一度首をガクンとさせてしまった瞬間でした。

「ごめん、カメラさんちょっと止めて」

Aが、Bさんのもとに駆け寄ります。Bさんは〈これはもう、殴られる……〉と覚悟を決め歯を食いしばっていました。しかし、Aは笑顔でこう声をかけました。

「大丈夫か? 眠いだろうけど、もうちょっとだから頑張ってくれな」

と、Bさんの肩をポンポンと優しく叩きながら……。

〈なんで……〉

その不自然な優しさが、彼には殴られるよりも恐かったといいます。そして気付いていました、Aの目がまったく笑っていなかったことに……。

収録が終わり、Bさんは肩を落として自宅へと歩いていました。すると、突如後ろから何者かに羽交い絞めにされ、黒いワゴンに押し込まれたのです。

中には毛糸の黒マスクを被った男たちが三人。Bさんは必死に暴れましたが、無理やりに手と足を縛られ、口はガムテープで塞がれました。

そして黒マスクの一人が、ポッケからおもむろに取り出したのは、ホッチキス。

「……バチン バチンバチン バチン」

Bさんの上瞼と下瞼をホッチキスで留める音が車内に響きました。

「んん! んんんっ!」

あまりの激痛にのたうちまわるBさん。反射的に目を開けようとするほど針は食いこみます。そして耳元で、聞き覚えのある声が──。

「一生寝てろ」
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