あるB級ホラー映画に出演した女優に聞いた話です。初めて映画の撮影にのぞむ彼女は、クランクインしてからがっかりしたそうです。
主役でもない彼女は、恐ろしいまでの待ち時間と監督からのダメ出しにうんざり。撮影が進むにつれ、こんな事が続くなら辞めてもいいや、と投げやりな気持ちになっていたそうです。
その日も長い待ち時間を憂欝に過ごしていました。とあるマンションで撮影することになったのですが、機材トラブルのため撮影はしばらく止まったままでした。
撮影が進まないのと、そのマンションの持つ雰囲気が彼女を憂欝にさせていました。楽屋の中で台本をチェックしていても、全然集中できなかったそうです。
その部屋が悪かったのか、重苦しい空気とうっすらと耳鳴りが続いていたそうで、ちょうど、電車に乗っていてトンネルの中に入ったときのような気圧が変わった感じだったそうです。
イヤな感じのする楽屋に閉じこもりっぱなしの彼女は、早く撮影の出番がこないかと待っていました。
すると、「ワーン」と響く耳鳴りが強くなってきて思わず悲鳴を上げそうになった瞬間、耳鳴りが止まりそれと同時にドアのノックが聞こえました。
ハッと身構えた瞬間、向こうから「A子さん、監督がお呼びです」と声が聞こえてきました。
A子さんは、いつもは会話するのもイヤな監督でしたがこの時ばかりは喜んで向かいました。
「ここで待っててください」
この建物の空気に参っているのか、だらしなく髪の毛を伸ばした元気のないスタッフの男性に言われたまま、誘導されたとある部屋の前で待っていました。
撮影初日からミスばっかりしていたA子さんは、また監督に怒られるのではないかと再び不安に思ってきていました。
しばらく待っていましたが、部屋の中にいる監督はA子さんを呼び出す気配もありません。
不審に思ったA子さんは監督のいる部屋のドアをノックしました。しかし、しばらくしてもまったく反応がありません。
思い切ってドアのノブを回してみました。が、鍵がかかっていて開きません。
そこへ、A子さんのマネージャーが、
「A子さん、何やってるんですか?」
と息を切らせながらやってきました。
「監督に呼ばれて……」
と、A子さんが言うとマネージャーは呆れた顔で、
「なに言ってるんですか! 監督はもう撮影に入ってますよ。ていうかA子さん待ちで撮影が止まってるんですよ!!」
何がなんだかわからないまま、撮影現場に戻り監督に謝った彼女はその後も撮影を続けたそうです。
長い撮影と監督のお説教から解放されたA子さんが、マネージャーに事情を話したそうです。するとマネージャーが青い顔をして「出たんだね」と言いました。
実はこの映画の撮影で使われているマンションで殺人事件が起こったとの事で、映画の製作スタッフからは霊感が強いタレントは使わないでくれと言われていたそうです。
別の映画では霊感の強い女優さんが撮影のなかばに降板してしまい、スタッフはおおわらわになったことがあったそうです。
それでも監督は、確実に“出る”と言われているマンションでリアルなホラー映画を撮りたかったそうです。
A子さんが「待っていてくれ」と言われたその部屋――。その部屋こそが、殺人事件が起きた部屋だったそうです。
しかも、後にわかったことですが、A子さんを呼びにきた髪の長い男性はスタッフの中に存在しませんでした。
一体なんの理由でA子さんをあの部屋に呼び入れようとしたのか。その理由は結局わかりませんでした。
その後、監督の狙い通りなのか完成したその映画には得体の知れない“何か”があちらこちらのシーンに映りこんでいたそうです。
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主役でもない彼女は、恐ろしいまでの待ち時間と監督からのダメ出しにうんざり。撮影が進むにつれ、こんな事が続くなら辞めてもいいや、と投げやりな気持ちになっていたそうです。
その日も長い待ち時間を憂欝に過ごしていました。とあるマンションで撮影することになったのですが、機材トラブルのため撮影はしばらく止まったままでした。
撮影が進まないのと、そのマンションの持つ雰囲気が彼女を憂欝にさせていました。楽屋の中で台本をチェックしていても、全然集中できなかったそうです。
その部屋が悪かったのか、重苦しい空気とうっすらと耳鳴りが続いていたそうで、ちょうど、電車に乗っていてトンネルの中に入ったときのような気圧が変わった感じだったそうです。
イヤな感じのする楽屋に閉じこもりっぱなしの彼女は、早く撮影の出番がこないかと待っていました。
すると、「ワーン」と響く耳鳴りが強くなってきて思わず悲鳴を上げそうになった瞬間、耳鳴りが止まりそれと同時にドアのノックが聞こえました。
ハッと身構えた瞬間、向こうから「A子さん、監督がお呼びです」と声が聞こえてきました。
A子さんは、いつもは会話するのもイヤな監督でしたがこの時ばかりは喜んで向かいました。
「ここで待っててください」
この建物の空気に参っているのか、だらしなく髪の毛を伸ばした元気のないスタッフの男性に言われたまま、誘導されたとある部屋の前で待っていました。
撮影初日からミスばっかりしていたA子さんは、また監督に怒られるのではないかと再び不安に思ってきていました。
しばらく待っていましたが、部屋の中にいる監督はA子さんを呼び出す気配もありません。
不審に思ったA子さんは監督のいる部屋のドアをノックしました。しかし、しばらくしてもまったく反応がありません。
思い切ってドアのノブを回してみました。が、鍵がかかっていて開きません。
そこへ、A子さんのマネージャーが、
「A子さん、何やってるんですか?」
と息を切らせながらやってきました。
「監督に呼ばれて……」
と、A子さんが言うとマネージャーは呆れた顔で、
「なに言ってるんですか! 監督はもう撮影に入ってますよ。ていうかA子さん待ちで撮影が止まってるんですよ!!」
何がなんだかわからないまま、撮影現場に戻り監督に謝った彼女はその後も撮影を続けたそうです。
長い撮影と監督のお説教から解放されたA子さんが、マネージャーに事情を話したそうです。するとマネージャーが青い顔をして「出たんだね」と言いました。
実はこの映画の撮影で使われているマンションで殺人事件が起こったとの事で、映画の製作スタッフからは霊感が強いタレントは使わないでくれと言われていたそうです。
別の映画では霊感の強い女優さんが撮影のなかばに降板してしまい、スタッフはおおわらわになったことがあったそうです。
それでも監督は、確実に“出る”と言われているマンションでリアルなホラー映画を撮りたかったそうです。
A子さんが「待っていてくれ」と言われたその部屋――。その部屋こそが、殺人事件が起きた部屋だったそうです。
しかも、後にわかったことですが、A子さんを呼びにきた髪の長い男性はスタッフの中に存在しませんでした。
一体なんの理由でA子さんをあの部屋に呼び入れようとしたのか。その理由は結局わかりませんでした。
その後、監督の狙い通りなのか完成したその映画には得体の知れない“何か”があちらこちらのシーンに映りこんでいたそうです。
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