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構成作家という芸能界の仕事をしていると、芸能人と仲良くなれそうに思われるかもしれないが、意外と芸能人と会って話す事は少なくて(個人差はあるが)、やはり裏方は裏方の人と話すのがほとんどである。

プロデューサー、ディレクター、AD、カメラマン、音声、照明、大道具、メイク、衣装など裏方にもいろんな種類があるが、一番芸能人と関わりを持つ裏方がマネージャーである。これはグラビアアイドルKを担当しているマネージャーFから聞いた話。

今では街で聞けばほとんどの人が知ってると答えるであろう、有名グラビアアイドルになったKだが、まだ誰にも知られていない時にマネージャーに就いたFは、Kからの信頼も厚くプライベートな事も女友達の様に(ちなみにFは男性)話す間柄だった。

そんな無名時代のある時、FはKから相談を受けた。最近Kがストーカー被害にあっているとのことだった。

その内容はポストから郵便物を盗まれてそのかわりに気持ちの悪い手紙(ファンレターのなれなれしい版)が入っていたり、自宅のドアノブに手作りのおにぎりがコンビニ袋に入れて掛けてあったりしていた。

完全に自宅マンションに直接来ているのがわかるストーカー行為である。

すぐに警察に届け出たが、警察も常に見張ってくれるわけでもなく、犯人も特定できていないので現状何も変わらずといった状況だった。

仕方がないのでFがKの仕事の送り迎えをし、自宅に侵入されていないかチェックしてその後、不審な人物がいないかマンションの前で1時間ほど待機するという事をやっていた。

しかしそれから何度かドアノブに例のおみやげがぶら下がっていた。

これでは何の解決にもならないということに気付き、作戦を変えた。1度Kを現場に送った後、FがKのマンションに戻りストーカーを確認し警察に通報するという作戦。

ただ入口にずっと立っていると逆に不審者と思われるのとストーカーが警戒して現れないので、とりあえずエレベーターにずっと乗っておく事にした。

聞くと何それ? と思うが、これがなかなかいい作戦で、まずKの部屋のあるフロアのエレベーター前で待機しエレベーターが1階から上がって来たら下りのボタンを押し、そのフロアでエレベーターから降りる人間がいればその顔を確認し、そのエレベーターに乗り込み1階に下りる。

もう1度元のフロアに戻り、ドアノブにコンビニ袋が掛けてあれば、確認した奴がストーカーという事になる。

そんな馬鹿みたいな作戦を始めて2日目のこと。この作戦が功を奏した。

Kのフロアで待っていると、エレベーターが1階から上がってきてそのフロアで止まった。

乗っていたは30歳くらいの男で、全身黒い服でで真っ黒のサングラスという、ちょっと怪しい奴が降りてきた。

ここでかなりの確信をもったが、念のため1階に下りてすぐ元のフロアに戻ると、案の定ドアノブにコンビニ袋が掛かっていた。しかし不思議な事にさっきの男が見当たらない。

非常階段をみても降りた気配がないとなると、このフロアにいる事になる。とにかく警察に連絡し、Kを迎えに行き事情を説明。

警察と一緒に部屋に入り侵入されていないか確認したのだが、侵入はされていなかった。ということは……。

そう、ストーカーは同じフロアの住人だったのだ。Kはこんなマンションには居られない! とすぐに引っ越しをした。

華やかな世界の裏にも、いろんな苦労があるのだ……。
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