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夏になると怖い話や肝試しをする。いつからなのかはわからないが、かなり昔からのブームというか習慣である。これからも何百年と変わらずに続いていくと思われる。

しかし、科学というのは常に進化していくものである。心霊写真というのも未来には過去の遺物として扱われているかもしれない。

これは僕の知り合いの芸人Oが実際に体験した話。

今はシュールなコントで、芸人の中ではいちもく置かれるOも、学生時代はごく普通の学生で、バイトしてコンパして海へ山へと青春を謳歌していた。

もちろん夏には定番の肝試しも毎年行っていた。肝試しも年齢を重ねるごとに行くところもなくなるかと思いきや、大学に入ると一気に広がるのである。

新しい友人、車、インターネット、日本全国が心霊スポットになるのである。大学へ進学したその年の夏、Oは新しい友達と4人で肝試しに行くことになった。

インターネットで見つけ向かった先は、S県の山の中腹にある古い洋館。もう何十年も住んでいる人はいないのに、取り壊される事もなくそのまま放置されている。

噂ではそこには父、母、娘の3人の家族が住んでいたのだが、父親の事業が失敗し一家心中をしたらしい。

車で現地に向かっている間は4人は思い出の1ページを記録に残すといわんばかりに、当時流行っていた使い捨てカメラで写真をとりまくって、キャッキャとはしゃいでいた。

4人がその洋館に到着すると「中に入るのやめた方がよくない?」と言う意見が出るほど異様な雰囲気をかもしだしていた。

しかし、ここまで来てやめる訳もなく4人はその洋館に侵入していった。

中に入るとさすがインターネットで見つけた物件。何人もの人間が肝試しに来た事がわかる荒らされ様だった。

壁にスプレーで『○○参上』の落書き。床には花火をやった残骸(よく火事にならなかったものだ)。

コンビニ袋やおにぎり、サンドイッチの包装が散乱していた。「なんだよ! 怖いの外から見たときだけじゃねーか」と普通なら強がりにもとれるセリフが終始、心霊スポットで飛び交った。

そして4人は中でも写真をとりまくり、その洋館のすべての部屋を制覇した。

帰りに「もう一軒、ハシゴして行く?」などの冗談が出るほど肩すかしを食らった感じがしていた。

そして、数日後4人はまた集まった。肝試しに行った時に撮った写真が現像できたからである。

もちろん心霊写真が撮れている事を期待しながら1枚ずつ隅から隅までチェックしていく。

行きの車の中から順番に見ていくのだが、そのうち飽きてきた奴が、

「これ幽霊じゃねー?」と友人が写っている写真を指差したり、

「この『○○参上』の落書き、俺が見たとき『××参上』だったぞ」などと言い出したので、心霊写真の期待感は薄れていく一方だった。

そしてすべての写真を見終わりOが、
「やっぱり心霊写真ってそう簡単に撮れねーな、一番怖い感じなのが結局、洋館に入る前のこの写真だもんな」

と1枚の写真をみんなの前にあらためて出した時、友人の一人が、

「何これ?」

と言い出した。
Oはまた冗談だろうと思ってもう1度その写真に目をやると、あきらかにおかしい事に気が付いた。

その写真は4人が洋館に向かって行く感じで背中から撮られている写真なのだが、おかしいのはその写真には4人とも写っていたのである。

「なんだよ! 怖いの外から見たときだけじゃねーか」

まさにその通りだった。それからO達は肝試しに行かなくなったらしい。
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