「お笑い芸人○○ 番組収録中に大怪我」
そんな記事やニュースを目にした経験がある方も多いと思うが、時にバラエティ番組のゲームや企画で、お笑い芸人が怪我をしてしまう事がある。
例えばローションを使ったゲームで勢いよく転んでしまい骨折など……。しばしば視聴者から非難を受けることがあるが、スタッフ達だって何も闇雲に危険なゲームをやらせているわけではない。
ちゃんと事前に安全確認シミュレーションを何度も何度も入念に行なっている。それでも事故が起きてしまうのは、最新のジャンボジェットでも墜落する危険はゼロとは言えないのと同じ予期せぬハプニングだ。
その日──。
小高い丘のある公園で某バラエティ番組のスタッフたちは次回収録に向けて、とあるゲームのシミュレーションを行なっていた。
そのゲームは、タレントが丘の上から車輪のついたソリに乗って直滑降し、ゴールまでのタイムを競うというモノ。
シミュレーション役はADの鈴木君(仮名)だった。ヘルメットや肘パッドをつけて、ソリを引っ張り丘の上に登る鈴木君。
「これ上から見るとメッチャ怖いっすよ〜」
下から見る分には割と緩やかに感じた斜面も、いざ上から見下ろすとなかなかの恐怖だった。
「最初は足でブレーキをかけながら、ゆっくりでいいから」下のディレクターからメガホンで指示が飛ぶ。
鈴木君は言われた通り、初めはゆっくりと斜面を滑走。それを何度か繰り返した。
「じゃあ次は足ブレーキなしでいける?」
「はい!全然大丈夫そうっす」
何度か滑走し慣れてきた鈴木君は自信満々にそう答ると、足をソリの中に入れ滑りだした。みるみる上がるスピード。それまでとは段違いだった。
「危ないと思ったら足ブレーキしろよ!」
メガホンで叫ぶディレクター。周りの他スタッフたちは、降りてくるソリと鈴木君をキャッチするための、大きな安全マットをかまえている。
「大丈夫でーす!うわぁー!」
楽しそうな鈴木君。すさまじいスピードで滑走している。そして下に待つ安全マットまで後7メートルという所だった。
ソリは突然バランスを崩し軌道がガクンと斜め横にそれたのだ。勢いのついたソリはディレクターや安全マットの横をすり抜け、さらに下の道路に飛び出してしまった。
「危ない!」
ディレクターが叫んだのと同時に、鈴木君を乗せたソリはガードレールに激しく直撃した。
彼はソリの上で、まるで糸の切れた操り人形のようにグッタリと横たわっている。慌てて駆け寄るスタッフたち。
「キャァァァ!」
1人の女性スタッフが悲鳴をあげた──。骨が飛び出ているわけでも大量の血が出ているわけでもない。
ただ、鈴木君の頭が180度回転して後ろを向いていた。まるでリ○ちゃん人形の頭だけをグルリと後ろにひねったように……。
即死だったという。
無論、そのゲームの収録は中止となった。
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例えばローションを使ったゲームで勢いよく転んでしまい骨折など……。しばしば視聴者から非難を受けることがあるが、スタッフ達だって何も闇雲に危険なゲームをやらせているわけではない。
ちゃんと事前に安全確認シミュレーションを何度も何度も入念に行なっている。それでも事故が起きてしまうのは、最新のジャンボジェットでも墜落する危険はゼロとは言えないのと同じ予期せぬハプニングだ。
その日──。
小高い丘のある公園で某バラエティ番組のスタッフたちは次回収録に向けて、とあるゲームのシミュレーションを行なっていた。
そのゲームは、タレントが丘の上から車輪のついたソリに乗って直滑降し、ゴールまでのタイムを競うというモノ。
シミュレーション役はADの鈴木君(仮名)だった。ヘルメットや肘パッドをつけて、ソリを引っ張り丘の上に登る鈴木君。
「これ上から見るとメッチャ怖いっすよ〜」
下から見る分には割と緩やかに感じた斜面も、いざ上から見下ろすとなかなかの恐怖だった。
「最初は足でブレーキをかけながら、ゆっくりでいいから」下のディレクターからメガホンで指示が飛ぶ。
鈴木君は言われた通り、初めはゆっくりと斜面を滑走。それを何度か繰り返した。
「じゃあ次は足ブレーキなしでいける?」
「はい!全然大丈夫そうっす」
何度か滑走し慣れてきた鈴木君は自信満々にそう答ると、足をソリの中に入れ滑りだした。みるみる上がるスピード。それまでとは段違いだった。
「危ないと思ったら足ブレーキしろよ!」
メガホンで叫ぶディレクター。周りの他スタッフたちは、降りてくるソリと鈴木君をキャッチするための、大きな安全マットをかまえている。
「大丈夫でーす!うわぁー!」
楽しそうな鈴木君。すさまじいスピードで滑走している。そして下に待つ安全マットまで後7メートルという所だった。
ソリは突然バランスを崩し軌道がガクンと斜め横にそれたのだ。勢いのついたソリはディレクターや安全マットの横をすり抜け、さらに下の道路に飛び出してしまった。
「危ない!」
ディレクターが叫んだのと同時に、鈴木君を乗せたソリはガードレールに激しく直撃した。
彼はソリの上で、まるで糸の切れた操り人形のようにグッタリと横たわっている。慌てて駆け寄るスタッフたち。
「キャァァァ!」
1人の女性スタッフが悲鳴をあげた──。骨が飛び出ているわけでも大量の血が出ているわけでもない。
ただ、鈴木君の頭が180度回転して後ろを向いていた。まるでリ○ちゃん人形の頭だけをグルリと後ろにひねったように……。
即死だったという。
無論、そのゲームの収録は中止となった。
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