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559 :本当にあった怖い名無し:2005/10/07(金) 12:10:11 ID:2xSV2nhy0
皆さんは九十九神と言う物を知っていますか?
長いこと使っている物に宿る妖怪らしいのですが、私自身そういった物に疎く詳しくはわかりませんが、
私の松葉杖に九十九神が憑いているようです。
順を追って説明しますね。

松葉杖と言うのは、生まれつき足が悪い私が使っている物で、
普通の物とは違って、体に合わせて作った特注品なんです。
足は不自由ですが、私生活・仕事には何の支障もありません。

その日は、仕事でオーストリアへ行っていました。
仕事を終えホテルに戻り、眠りについていましたが、ホテルの外が異様に騒がしく、目を覚ましました。
一体何をそんなに騒いでいるんだ?と思い、窓の下を覗くと、ホテルの下にいる人達が、上を指して叫んでいる。
窓を開けて上の階を見ると、4階の部屋から火が上がっていました。
こんな日に限って私の部屋は3階で、火事の部屋から近かった。
エレベーターがあるホテルだったので、いつものように一階の部屋を取らなかったのだ。

慌てて逃げようとすると、部屋の奥に置いてあった松葉杖が、ポーンっと誰かが投げた様に飛んできたんです。
寝ぼけているのか、パニックで幻覚を見たのか、わけが解らなかったが、
そのときは逃げる事に集中し、財布だけ持って部屋から飛び出しました。


560 :559:2005/10/07(金) 12:11:31 ID:2xSV2nhy0
エレベーターは使えなくなっていて、周りの部屋の人々は皆、非常用のハシゴ階段で避難していました。
私の足ではハシゴを下りる事ができず、通常の階段で逃げなければなりません。
一人階段を下りていると、下から上がって来る人がいました。
きっとレスキュー隊だ!と思い大声を上げると、近寄ってきたのは普通の若者達。
何か言っているのですが、ドイツ語はあまり得意ではなく、片言しか解らなかったが、
どうやら、彼らが火事場泥棒だと言うことは分かった。
抵抗も虚しく財布を盗られ、
顔を見られた口封じに、松葉杖を窓から捨てられ、部屋に閉じこめられてしまったんです。
最後に彼らが、英語で「焼け死ね」と言った事はよく覚えている。

しかし、その後すぐレスキュー隊に助け出され、命は取り留めました。
私の部屋も無事だったのですが、
あのとき窓から投げ捨てられた松葉杖だけ、どこを探しても見つからないのです。
変わった形をしていて、一般人は何に使うのかさえ分からない様な物。
一体誰が盗むと言うのだろうか?とても不思議だった。
あれはとても高く、もう一度作るとなると、でかい金と長い時間がかかります。
その為に諦められない私は、警察に頼んだり、地元の新聞に松葉杖の事と絵を載せさせてもらった。


561 :559:2005/10/07(金) 12:12:48 ID:2xSV2nhy0
3日ほどたったある日、松葉杖が見つかったと警察から電話があった。
そして見つかった場所が、なんとあの火事場泥棒の家だと言うのです。
新聞でみた変な棒が隣の家の前に置いてある、という通報を受けた警察は、その家へ行きました。
家の主に話を聞こうと火事の日の話をすると、
自分の犯行がばれたのだと勘違いし、あっさり男は自白したのだった。

私の財布も見つかり事件は解決したが、
彼らは松葉杖なんて盗んでいないし、玄関に置いてもいない。
誰かがそんな事わざわざするとも思えない。
私は今でも、松葉杖が妖怪となって、私のかたきを取ってくれたんだと思っています。

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