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俺には姉がいる。
姉ちゃんは足が悪く、いつも左足を引きずって歩いている。俺はいつもその姿を見て申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。

俺が小さい時に車に引かれそうになって、それを姉ちゃんがかばってくれたんだ。そのときに左足を怪我して、麻痺の後遺症が残ってしまった。

…と母さん達から聞いた。俺は幼かったので覚えていないのだ。姉ちゃんには凄く感謝してるんだ。だって命の恩人だから。

俺と姉ちゃんは今でも仲が良い。

「ふぅ、終った!ちょっと休憩。…あー、俊太!人の所有物勝手にあさらないでよっ」

「いーじゃん、漫画借りるくらい。今いいところだからもう少し待っててよ」

「もぅ、仕方ないなぁ。大学のレポート書き終わったら読もうと思ってたのにー。…じゃあ紅茶でも飲んで待ってようかな」

姉ちゃんはそう言って立ち上がろうとしたから、

「俺が持ってくるよ!ちょうど何か飲みたいと思ってたから。ちょっと待ってて」

と言って、姉ちゃんの返事を聞く前に俺は一階のリビングに降りた。紅茶を持って部屋に入ると、姉ちゃんの瞳には涙が浮かんでいた。俺はびっくりして

「どうした!?足が痛いのか!?」

と聞いた。

「違う…。私は…俊太がそうやって私の事を気遣ってくれてるのが嫌なの」

それは思い掛けない台詞(ことば)だった。

「え…?」

「左足の事、申し訳ないと思ってるのかもしれないけど、私はもう気にしてないから」

「でも、俺のせいで…」

「俊太のせいじゃないの!だからそんな風に思わないで!事故の事はもう忘れて?」

姉ちゃんは椅子から立ち上がりそう言った。

「分かった。でも俺は、責任感とかそうゆーんじゃ無く、姉ちゃんの役に立ちたかっただけなんだ。ただ、姉ちゃんの笑顔を見ていたいだけなんだ」

「そんな事言ってもらえる資格は無いわ。でも私は今は俊太が生きてて良かったと思ってるよ」

俺は ようやく紅茶を置き、姉ちゃんに近づきそのまま抱きしめた。顔は見えなかったけど、泣いているのは分かった。姉ちゃんは俺に言った。

「ありがとう。…ゴメンね」






【解説】
姉は、俊太(俺)を殺そうとしていた。

姉は俊太を道路へ突き飛ばしたが、弟をよけようとハンドルをきった車が 姉のいる方へ突っ込んでしまった。

「今は俊太が生きててよかったと思ってる」
→昔は思っていなかった
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