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おれは夢を極めた。夢の中でもそれが夢であると自覚し、思うままに行動できる。夢の中は全てが自由で楽園なのだ。

唯一自由じゃないのは、五感のうち嗅覚・味覚が機能しないことくらいか。

最近では朝起きてすぐ、夢の内容を忘れない内に「夢ノート」に書き込むのがマイブームだ。読み返すとハチャメチャで面白い。

隣りで寝ている弟にこのノートを見せたり夢のことを話したりすると、いつも羨ましがってくる。その時は「まだまだ修行が足りないな」と言ってやっている。

弟の目を余所に今夜も枕元にノート、ボールペンを用意し布団に入った。

気が付くと戦場にいた。
銃声が飛び交っている。

「よし、夢の中だ。さて今日は何をしようか」

とりあえず落ちていた銃を拾い乱射してみる。意外と面白くなかったので、意識を集中させて念じた。

すると銃はみるみる内に剣へと変化した。
これくらいはお手の物だ。

目の前の敵に向かって剣を振り回した。

斬り応えが気持ちよく、楽しくなってきて斬りまくった。最後には蜂の巣のように刺しまくる。

悲鳴が聞こえ血の匂いもしたが、構わず続けた。しばらくすると段々飽きてきたのでもう今回は眠ることにした。

夢ノートに書かなきゃ。

【解説】
嗅覚使えないのに血のにおいがわかるってことは夢じゃない。

話し手は頭がおかしくなっており、夢と現実の区別がつかなくなっていた。

そして、現実世界で周りの人間を斬りまくっていた。
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