忍者ブログ
[705] [704] [703] [702] [701] [700] [699] [698] [697] [696] [695]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

668 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:31:07 ID:48fLYiNH0
まぁ、世の中には色々なマニアがいるものだ。
そんな事を思ったのと同時に、恐怖を感じた事がある。
あれは俺が小学校高学年の頃だったから、今から10年位前かな。
近所に『写真屋さん』って呼ばれてる、50歳代と思しきオッサンがいたんだ。
でも、これは親しみを持った呼び名ではなく、軽蔑を込めた呼び方だってのは、あとから知るんだけどね。

ある日、一人でリフティングをやって遊んでいると、
『写真屋さん』の家に、サッカーボールが転がっていってしまったんだ。
特に怖いという印象は無かったから、抵抗は無かったんだけど、
考えてみれば、生まれてから一回も『写真屋さん』の家には入った事が無かったから、ちょっと躊躇したんだよね。
アウェーみたいな感じ、とでも言うのかな。

思い切って中に入ると、『写真屋さん』は洗濯を取り込んでたんだ。
「スイマセン・・・」って中に入ると、『写真屋さん』は二コリと笑って、
「どうしたんだい?」って聞いてきたんだ。
「実はボールが入っちゃったんですけど・・・知りません?」って聞くと、
「裏口の方に行ったのかな?」って、特に怒る事も無く、一緒にボールを探してくれたんだ。
で、すぐにボールは見つかったんだよね。

礼を言って帰ろうとすると、
『写真屋さん』は「麦茶でも飲まないかい?」って言ってくれたから、お言葉に甘えたんだ。
母親からは、「他人の家でむやみにご馳走になっては駄目」って言われてたんだけどさ。
暑くて喉が渇いてたんだろうな。

麦茶のコップを交わしながら、俺は『写真屋さん』と、初めてと言っても差し支えないくらいよく喋ったんだよね。
俺の事、俺の周りの事、くだらない世間話etc
そのうちに『写真屋さん』も、自身の事を語り始めた。
「オジサンは、ある物を集めているんだ」ってね。
そんな事を言いながら、俺をある部屋に連れて行こうとするんだ。
躊躇う俺を見ながら『写真屋さん』は、
「別に何かするわけじゃないから大丈夫だよ」と、笑いながら俺を見るんだ。
「コレクションを自慢したいんだ」とも言っていた。
そこで俺は、『写真屋さん』に付いて行く事にしたんだ。


673 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:33:36 ID:48fLYiNH0
『写真屋さん』は、北側にある部屋の前で立ち止まった。
そこはふすまで閉じられてて、中は見えなかったんだよね。
不思議な顔をしてふすまを見ている俺に向かって『写真屋さん』は、
「コレを見せるのは久しぶりだなぁ」なんて、嬉しそうに俺に話しかけてくるんだ。
何なのか気になった俺は、『写真屋さん』に「早く見せてよ」とせがんだんだ。
『写真屋さん』はニコニコしながら、ふすまを開けてくれた。
そこは10畳ほどの結構広い部屋になってたんだけど・・・俺は足がすくんだよ。
部屋の壁にビッシリと、ある物が飾られていたんだよね・・・何だと思う?
遺影だよ、遺影。あの仏壇の中とか横とか上とかに飾られてる、あの写真。
それが何も無い部屋の壁に、ビッシリと飾られているんだ。100枚はあったかな。
爺さんもいれば婆さんもいる。若い女の人もいれば子供もいる。

俺は軽く眩暈がしつつも、『写真屋さん』に聞いたんだよね。
「ここに飾ってある人って、全部親戚か何かの写真なんですか?」って。
そうしたら『写真屋さん』、笑いながら「この写真の人達なんて知らないよ」って答えたんだ。
俺はすぐさま『写真屋さん』に聞いたんだ。「じゃあ、この写真はどこから集めたの」と。
そうしたら『写真屋さん』、「無人になった廃屋から拝借してるんだ」って言ったんだ。
「泥棒じゃないの?」と俺が問うと、「持ち主がいないんだから・・・」とお茶を濁してきた。


675 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:34:43 ID:48fLYiNH0
何て言うんだろうか・・・?遺影ってのは言ってみれば、死んだ人間の『生きてました』っていう証拠だ。
コレがあれば昔は生きていたんだろうし、コレがあることによって、死んだ事が確認されている。
あの部屋は死者の部屋だ。あの部屋に入ると、死んだ人間が一斉にこっちを見る。
何も言わないが、何か言っているようだ。俺はクラクラしながら部屋を出た。

『写真屋さん』は最初、自分の奥さんと娘さん(何で亡くなったのかは知らないけど)の遺影が、
ポツリと広い部屋の中にあるのは寂しいだろう、という事で、様々な種類の遺影を集めたんだそうだ。
そのうちに本来の趣旨とは外れていって、ただ単に遺影集めに没頭するようになったんだってさ。

『写真屋さん』の家から帰る途中、もう一つある事を考えていたっけか。
人間なんて、いつかはあの額縁の中に納まっちゃうのか・・・ってね
あれから10年くらい経ったけど、俺も『写真屋さん』も、まだ額縁の中には入っていない。
それはそれでいいんだけど・・・『写真屋さん』のあの部屋ってどうなってるのかな。
2年前かな。増築してたっけ。
最近じゃ、俺の町にも新しい人が多くやってきて住んでるから、
『写真屋さん』の家の事も、『写真屋さん』っていう呼び名すらも知らない人が増えてきてるんだろうな。
そんな新規の住人はみんな不思議がってたっけ。何で独り暮らしの老人が建て増しなんかするのか、ってね
俺含めて、古参の住人は何となく分かるけど、何も言わないようにしてるよ・・・







678 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:39:56 ID:9j5lNKQ40
ん?
>>675は、写真屋が遺影を集めてたのがじわ怖??


681 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:45:21 ID:9j5lNKQ40
やべぇ・・・
>>675がワカンネ。
どうなったらきれいに納得?


683 :本当にあった怖い名無し:2007/08/12(日) 23:51:42 ID:2crImLRpO
>>678>>681
今の社会では、お隣りさんがどんな人か分からない。
だから、お隣りさんはこんな風な危ない人かもしれない、ってことじゃね?


PR

ゲーム売れ筋ランキング
本の売れ筋ランキング
家電・カメラ の 人気度ランキング
新着ランキングを見る
ほしい物ランキングを見る
人気ギフトランキングを見る
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
ブログ内検索
PR
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) 怖い話のまとめ All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]