バイト帰りに急に腹が痛くなった。
青い顔でアパートの部屋の前についたけど、今度は鍵が見つからなくて焦ったよ。

尻のポケットから見つけた鍵でドアを開けて、暗い部屋に飛び込んだ。すぐに荷物を放り投げてトイレの電気だけ付けて、一目散！

あわててズボンを下ろそうとしてドアの内側に貼ってあるメモ用紙に気がついた。 〈立ち会い〉とあり、今日の日付が書いてある。

それで思い出した。
どうもこの部屋のトイレ、立て付けが悪いみたいで、ドアが勝手に開いてしまうんだよな。

大家に文句を行って、今日が修理の日だったんだ。 どうしてもバイトのシフトが断れなくて、立ち会いは隣に住んでる外国人に頼んだ。

無愛想でよく知らないやつだったが、まあ特に盗られるような貴重品もないし。 貸した合鍵はメモ用紙の上に丁寧にセロテープで止めてある。

それにしてもお腹がもう限界で、ズボンも下着も一気に下ろして便座に座った。 もう、無我夢中だよ。

解放のひととき、このときの快感ったらなかったね。 ほっと息をついたときに、すぐそばで「カチャ」って音が聞こえた気がした。

──なんだよ、直ってないのか。

腹が立って、思わず顔をあげたらドアは閉まってた。 気がついたら全身に鳥肌が立っていた。

【解説】
尻のポケットにあった鍵でドアを開ける。
→ドアは鍵がかかっている。

貸した合鍵はメモ用紙の上に丁寧にセロテープで止めてある。

「カチャ」って音が聞こえた気がした。
→外人はそれまで暗い部屋の中にいて、合鍵で外へ。
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